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入学式式辞 #校長室

式辞
 吾妻より吹きおりる暖かな風は、阿武隈の水面を渡り、校庭の桜木を早くも満開としています。この春溢れる本日、福島県議会議長様、父母と教師の会会長様、同窓会副会長様、父母と教師の会役員の皆様のご臨席を賜り、令和五年度福島県立福島東高等学校の第四十四回入学式を挙行できますことは、大きな喜びであります。
 先ほど、一人一人の姿を呼名により確認し、二百四十名の皆さんの本校入学を許可いたしました。中学校の三年間、新型コロナウイルスの流行により、それまでの日常とは違う環境で、様々な困難を伴いながら学びを深め、厳しい選抜を乗り越えて入学の今日を迎えられたこと、改めておめでとうございます。そして、この晴れの日を待ち望み、十五年を超える日々をお子様とともに歩み、育ててこられたご家族の皆様に心からの敬意と祝意を表します。
 さて、新入生の皆さん、今皆さんの襟や胸にはスクールカラーのスカイブルーに輝く桜の校章が咲いています。それは、皆さんの未来の姿の象徴です。
 未来とは何か。皆さんが経験してきたコロナウィルス感染症の日々、今なお世界を震撼させているロシアによるウクライナ侵攻、想定するということがいかに無力であるかを思い知らされた東日本大震災とそれに続く原子力災害。かつての未来であった今の現実は、未来が不確実で不確定であり、あらゆる答えが混沌としているものであることを指し示しています。
 そのような未来であるにもかかわらず、私は、校章が皆さんの未来の姿ですと申し上げました。それは、校章の青く輝く五枚の花びらがそれぞれ「理想」、「真実」、「創造」、「協力」、「躍進」の徳目を表し、皆さんが、本校で学び、本校で「文」を修め、本校で「武」を極める中で、物事を一から作り上げる「創造」の力を手にし、分け隔てなくつながり「協力」する精神を身につけ、「理想」と「真実」を手にするため「躍進」し続ける心を得て、今はまだ、青きつぼみでしかない皆さん一人一人の桜が花開き、不確実な未来を生きる力を得ると考えるからです。
 先程来申し上げているように、皆さんの未来は不確実で不確定です。しかしながら、今ここに現れる、現実となった未来はたったひとつであることも事実です。であるなら、このたったひとつの現実となる未来を、皆さんは自ら創り上げる事ができるはずです。青き桜の一枚一枚の花びらに表される徳目を本校で手にし、自らの手でたったひとつの現実となる未来を、私たちとともに創り上げていきましょう。
 続いて、保護者の皆様にお話しいたします。不確実・不確定な未来にあって、最も確実で安心できる場所、それは、ご家庭であり、保護者の皆様お一人お一人です。しかしながら、三年後成人として、混沌とする未来を生き、新しい時代の担い手となるお子様を優しく暖かい羽のうちに囲ったままでは、青きつぼみは花開くことができません。失敗を恐れずいろいろなことに挑戦させる必要があります。失敗すれば傷つき、挑戦すれば破れることもあります。ご家庭は、そういうお子様を休ませ、また新たな活力をみなぎらせる場所となっていく必要があります。お子様を社会の一員として独り立ちさせていくこと、それはご家庭において、保護者の皆様でしか行うことのできない大切な教育です。ともに、お子様の自立を見守って参りましょう。
最後になりますが、来賓の皆様には、これまで同様、本校教育活動へのご理解とご支援をよろしくお願いいたします。
 あらためて、新入生の皆さん、緊張するその手を少し緩めて、皆さんの襟や胸に輝く校章に、今、触れてみてください。どんな感触でしょうか。繰り返しますが、それは、皆さんの未来の姿の象徴です。私たちとともに、充実した高校生活を送り、青き桜を花開かせ、不確実な未来を生きぬく人間として大きく成長することを心から祈念し、式辞といたします。

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