踊る…… #校長室
中学生の頃は洋楽をよく聴いていました。noteに移る以前の「校長室」(→本校HP)で一度書いたことがありますが、Cheap TrickやThe Knack、John Lennon、KISS、QUEENなどなど、レコードを買ったり、友達に借りてはカセットテープに録音しては、ノリノリで口ずさんでました。
でも、歌詞カードを見ると、とたん歌えなくなるんです。英語の歌詞を読むと、曲のテンポとリズムに、発音が追いつかない。そんな経験ありませんか?
さて、いつものように廊下をぶら…… 授業巡回していると、軽快な音楽が聞こえてきます。いったい、何の授業でしょう?
教室の中には、BTSのDynamaiteが軽快に流れています。そして、
英語のフレーズを、曲に乗せて、踊りながら Repeat after me!
生徒たちもテンポよく曲に乗せて、フレーズを口ずさんでいます。
なるほどね、まずは、日本語から英語への脱皮ですね。
冒頭の洋楽の話ですけれど、大学で音韻学を学んで、なるほどと腑に落ちたことがあります。(大学の国文科ではこんなことも学びますよ←生徒諸君)
日本語は、モーラ言語(子音と母音で1構造)で、英語は音節言語(子音と母音と子音で1構造)。音節の構造がそもそも違います。なので、日本語の耳のまま英語を聞くと、なんとしてでも母音を補ってカタカナ変換をしようとしてしまうんですね。その、仕組みをうまく使ったのがタモリ倶楽部の空耳アワーだと勝手に思っています。
英語のフレーズを軽快な曲に乗せると、リズムとテンポに合わせようとして、補おうとしても補う母音が間に合わない=モーラ言語からの脱皮ということになります。歌詞カードで英語を読むと、どうしてもモーラにしてしまう。なので、英語歌詞カードを見ながらでは歌えなかったんですね。
モーラ言語から音節言語への脱皮!そういう効果を狙って踊ってるんですよね、先生!